云外人间自悠游

濃霧に灯篭を翳して

片翼の鳥

ずっと、空を飛びたいと思ってた。
風のようになれたら どんなに気持ちがいいだろう。


差し伸べられた手をとり、
胴体右と左はつながれ ‥私は鳥になっていた。
力強く躍動する筋肉が伝わってくる。
何と頼もしいことだろう、

眼下には予想だにしなかった景色が次々と流れてゆく。


同時に悟る。
自分は幼くて、飛べるものではなかったのだ…

隆々とした動きに負けないよう
左も役割を果たす。
ひとつは飛ぶことに集中していく・・


胸の内から声が響いた。
自分のように空を飛ぶものは珍しくない。
一緒くたにしてしまわず、違いを感じられるようになれるといい。


……………(目覚める